先の見えないウイルス禍を経て、ここ数年は硬直していた感も否めなかった日本のPunk/hcシーン。
かくいう自分も、どこか思い切れない鬱屈した日々を送っていたが、そんな矢先に三重県から届いた録れたてのCLUMZYの音源に、僕は心地よい刺激でもって揺さぶりをかけられた。
鼓膜をつん裂き神経を逆撫でするギター、ストップ&ゴーを交え矢継ぎ早に畳み掛ける弾丸ドラム、カビ臭い地下室で蠢くような低くこもったベース…クリアで輪郭の整った耳障りの良い音とは対極に位置する、脳髄にドギツい一撃を食らわす強烈なクラストコア!ズタボロパンクスが求めて止まないアレコレがギュッと凝縮されてるのは言うまでもなく、また根底にはディスチャージへの偏愛が貫かれている事も疑いの余地がないが、王道のフレーズを敢えて崩してキャッチーになだれ込む展開もあり、決して過去の模倣のみに終始してはいない。
渾然と放たれるステンチでノイジーなうねりに乗せられる叫びは、不条理極まる社会への辛辣な怒りや失意に満ちてはいるが、ネガティブ一辺倒ではなく、優しく他者に手を差し伸べるかのような一面を垣間見る事も出来る。
誰もが行き詰まりを感じざるを得ない混沌とした世の中で、手探りで、しかし着実に答えを手繰り寄せていくようなイメージが脳裏に浮かぶ、彼らの処女作にして必聴の全8曲!(by Yoichi/Deformed Existence)
限定300枚/紙ジャケ仕様